判断基準が必要なの?M&Aの戦略

一般的なM&Aの流れと判断基準の重要性

M&Aは、一般的には、戦略の策定、ターゲット(対象企業)の選定、基本合意、デューデリジェンス(対象企業の実地調査と基本合意の見直し)、最終合意、クロージング(最終的な種々の手続を履践すること)そしてPMI(Post Merger Integration:M&A成立後の統合過程)というプロセスを経ます。こうしたM&Aプロセスをスムーズに進め、M&Aを成功させるためには、判断基準、すなわち投資基準を明確にしておくことが重要です。

投資判断基準とは、その名の通り、どのような場合ならその投資をすべきか・すべきとすればどの程度まですべきかといった問題について予め定められた基準です。具体的な投資基準はM&Aの当事者となる各企業の経営判断に依存します。しかし、基本的には、どの程度の投資資源をどの程度の期間で回収することが出来るか、という単純な算数が問題の中心であることは、一般的な投資基準の定立と変わりません。

投資判断基準が果たす役割

M&Aは企業や事業の”買物”にも喩えられます。つまり、M&Aも”投資”に他なりません。そうである以上、M&Aの投資効率を高めるために明確な投資基準を定立しておくことが不可欠です。また、予めそうした基準を定立し社内で共有しておくことは、交渉における意思決定や対外的・対内的な説明責任を果たす上でも大いに役立ちます。見逃せないことは、投資基準を明確にしておくことで、例えそのM&Aが最終的に成立に至らなかったり、あるいは失敗と評価されるに至ったとしても、企業組織にとって有意義な経験の蓄積となることです。

そうとはいえ、M&Aによって得ることが出来るメリットは簡単に数字に表すことが出来るものばかりではありません。M&Aは企業の”買物”だけでなく”結婚”にも喩えられます。投資判断基準の定立には、定量的な価値以外に、対象企業の経営戦略、イメージ、社会的な取り組みなど定性的な価値の評価も重要です。